光造形について

光造形

光造形とは

光造形機/SCS-8000(SONY)
光造形機

光造形とは紫外線レーザーを照射することで硬化する特殊な材料を用いた工法です。

RP工法の代表格でもあります。切削加工に比べ短期で低コストの試作が可能です。ただし、用いる材料が特殊材であることから、製品サイズが大きかったり個数が多かったりすると、工期や価格も高くなります。

加工時にはサポートや積層目が残るので、製品を綺麗に仕上げるには手磨きの工程が必要となります。

切削加工ほどではありませんが精度も良く、真空注型用のマスターとしても光造形品はよく利用されています。

肉厚の薄い部分に少し力を加えると、積層目方向に簡単に折れてしまうので、ツメ形状やヒンジ形状など、実際に力を加えたり、曲げたりする用途のモデルには不向きです。

光造形のメリット

端子形状も表現した光造形品
端子形状も表現した光造形品

  • 切削加工や他の造形に比べ、高速で安価(※1)
  • 積層方式のため、アンダーカット形状でも加工可能
  • 切削加工では生じる刃物R残りが、光造形では無い

※1)肉厚や高さがあるものなど、形状によっては切削加工より高価になることもあります。

光造形の注意点

光造形品のサポート
光造形品のサポート

  • 積層方式のため、等高線の様な模様(積層目)ができる
  • サポートという支持形状(余剰形状)ができ、そのサポートを取り外してもツブツブとした痕が残る(サポート痕)
  • 積層目の方向にもろく、衝撃を受けると薄肉部は壊れやすい
  • 0.3mm以下の形状は造形が難しい、もしくは出来ない
  • 造形品の中に気泡が入ることがある

※積層目・サポート痕は磨き仕上げで、ある程度を除去可能

光造形の加工の流れ

光造形品の積層目
光造形品の積層目

1)3DデータをSTLデータへ変換
2)STLデータから造形加工データを作成(輪切りデータの作成)
3)光造形機で加工
4)造形品の洗浄と乾燥
5)サポート除去
6)意匠面の磨き仕上げ(オプション)
7)塗装仕上げ(オプション)

(1)3DデータをSTLデータへ変換し、さらに輪切りにしたような状態にします。
※イラストは分かりやすいように、積層ピッチ(間隔)をかなり大きめに表現しています。
※積層間隔:通常ピッチ0.1mm、時短ピッチ0.15mm

光造形の積層ピッチ

(2)輪切りにしたデータから、光造形を行います。
※一層毎に紫外線レーザーで液状の材料を硬化させていきます。
※一層が硬化したら、テーブルが0.1mm下がります。これを繰り返します。

光造形の加工イメージ

(3)磨き仕上げ前後の比較(左側が磨き前、右側が磨き後)
(2枚の写真は同じ箇所を撮影したものです。磨き後もうっすら線が見えますが、これは裏面の積層目です。)

光造形の積層目

塗装仕上げの一例

光造形品の仕上げ

よくいただくご質問 ~光造形編~

Q1)光造形には、どんな材料がありますか?

靭性グレード(TSR821)
▲靭性グレード(TSR821)
少々のねじれにも強い

A1)材料はUV硬化性エポキシ材(専用材料)に限定されます(ABSやPC、PPといった汎用樹脂材では在りません)。ただし、ABSグレード・靭性グレードがございます。靭性グレードは少々の曲げやねじれにも強いですが、ABSグレードより高価になります。

■ABSグレード・・・SCR735
■靭性グレード・・・TSR821

Q2)光造形の精度はどれくらいですか?

A2)一般公差における「中級~粗級」ほどとご案内しております。
積層方式であること、硬化後に材料収縮が起こりえること、光造形品には吸湿性があることから、切削加工に比べると公差精度は出ません。また、平面方向(X-Y方向)に比べ、高さ方向(Z方向)に誤差が出やすいという特徴がございます。

Q3)加工できる大きさは?

A3)当社の光造形機のテーブルサイズは580×480×490です。
これ以上の造形品は、分割・貼合による加工となります。貼り合せには瞬間接着剤を用います。
※3分割以上の大きな造形品となると、接合箇所にズレが生じやすいので、形にならないこともございます。

光造形の積層目、気泡、サポート

Q4)「仕上げ」ってなんですか?

A4)造形直後の光造形品には積層目やサポート痕が残っています。意匠面にある積層目やサポート痕を「磨き仕上げ(ペーパー仕上げ)」で除去します。また、磨き仕上げ後に塗装や染色もできます。

(形状によっては細部が磨けない、塗装ができない場合もあります)

Q5)積層ピッチで価格が変わるのですか?

A5)積層ピッチとは、積み重ねる層の厚みのことです。通常の積層ピッチは0.1mmですが、加工時間を短縮するため積層ピッチ0.15mmでも造形可能です。加工時間が短くなると価格も安価になります。ただし、積層ピッチ0.15mmだと磨き仕上げができませんので注意が必要です(積層目が粗すぎるため)。「ただ形を確認できれば良い」という形状確認用であれば、積層ピッチ0.15mmでも良いかもしれませんが、デザインモデル・意匠品の試作であれば、積層ピッチ0.1mmで造形し磨き仕上げまで行うことをオススメします。

光造形品

光造形品(磨き仕上げ後)
光造形品(磨き仕上げ後)
左側:光造形ギア、右側:射出成形ギア
左側:光造形ギア、右側:射出成形ギア
射出成形前の形状確認用に
光造形品(磨き仕上げ)+黒塗装(シボ風半ツヤ)
光造形品(磨き仕上げ)+黒塗装(シボ風半ツヤ)
光造形品(磨き仕上げ)+サフェーサー塗装
光造形品(磨き仕上げ)+サフェーサー塗装
光造形機内(描画範囲580×480×490)
光造形機内(描画範囲580×480×490)
光造形機/SCS-8000(SONY)
光造形機/SCS-8000(SONY)

光造形材料~SCR735~ABSグレード

グレード SCR735 (光造形用材料・ABSライク)
材料タイプ エポキシ系 紫外線硬化樹脂
淡黄色
引張強度(MPa) 45
引張弾性率(MPa) 2510
破断時伸び(%) 7
曲げ強度(MPa) 83
曲げ弾性率(MPa) 2530
アイゾット衝撃値(ノッチ付)(J/m) 31
熱変形温度(℃) 52(HDT)

光造形材料~TSR821~靭性グレード

グレード TSR821 (光造形用材料・高靱性)
材料タイプ エポキシ系 紫外線硬化樹脂
淡白色
引張強度(MPa) 49
引張弾性率(MPa) 1800
破断時伸び(%) 13-15
曲げ強度(MPa) 70
曲げ弾性率(MPa) 2225
アイゾット衝撃値(ノッチ付)(J/m) 48-49
熱変形温度(℃) 49-52(HDT)
情報元 シーメット社HPより
樹脂物性一覧PDF
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